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仙台高等裁判所 昭和41年(ラ)5号 決定 1966年2月14日

抗告人 中川俊男(仮名)

相手方 中川友子(仮名)

主文

原審判を取消す。

相手方は抗告人方において、抗告人と同居せよ。

理由

本件抗告の趣旨及び理由は別紙のとおりである。

当裁判所の本件に対する事実認定は、原審のそれと同一であるから、原審判書一枚目裏八行目から、三枚目裏四行目までの記載を引用する。

右事実によれば、相手方が抗告人と同棲後僅か四〇日で、抗告人に無断で実家に戻り、以後抗告人との同居を拒むに至つたのは、結局(一)、相手方の両親が抗告人との婚姻に反対であつたこと、(二)、相手方が抗告人の姑や小姑らとの共同生活になじめなかつたこと、の二点に尽きるものであつて、抗告人自身が相手方を虐待したり、遺棄したようなことに基くものでないことは明らかである。してみれば、相手方は、抗告人との婚姻が存続している本件においては、抗告人と同居する義務を負うものといわなければならない。而して記録にあらわれた諸般の事情に鑑みれば、現在のところ、同居の場所は、抗告人方肩書住所が適当である。

よつて本件抗告は理由があるので、家事審判規則第一九条第二項に従つて主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 新妻太郎 裁判官 須藤貢 裁判官 小木曽競)

別紙

抗告の理由

一、原決定の理由には以下の点について事実の誤認がある。

(一) 原決定は相手方が抗告人との離婚を希み最早抗告人との同居を欲していない旨を認定して居るが調停の場に於いて現住所以外ならば同居する事を認めている。

(二) 原決定は相手方が抗告人によつて庇護されず立腹より不信と愛情を失つたと認定して居られる旨につきまして事実と相違する。

抗告人と相手方は調停に於いて抗告人より相手方に対して相手方は温床にて生育された関係上一、二年間は社会の実相にふれて来る必要を申して居ります。

又抗告人と同居中に於いても相手方と協議の上昭和三九年五月三日頃抗告人の友人であり相手方の親類筋の木村方に於いて相手方の義母に面接の上謝罪の事を呉々も頼み相手方も其の義母に面接致し生家に帰る様にすすめられたなれ共振り切つて帰り両日中に相手方の実父に面接の事を約したる事実

(三) 原決定は抗告人と相手方両親の不和抗争の板ばさみに立つて居り其の事に依つて次第に相手方は抗告人に対して不信を持つに至る旨認定して居るが、相手方はかねてより抗告人に申して居りましたが、相手方の義母は抗告人と結婚するならば、相手方の実父と離婚して東京に帰る旨の談議がなされ其の事について相手方は困惑して居り、相手方は抗告人と相手方両親との抗争よりも相手方の両親の抗争を苦悩して居つた事実

(四) (二)に於いて述べた通り二年間は相互に修行の期間であり原決定に於て夫婦間信頼関係がなく夫婦関係が破綻の認定は事実と相違する。

二、抗告人と相手方間の一子昇は現在左記の疾状にあり両者相協力して此れを監護するにあらざれば将来これが健全なる育成は望み難い状況にある。

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